2021.02.17 01:10敬称1 西洋の敬称の特徴その1 英語を勉強し始めた頃、日本語では、〜様、〜殿という風に、名前の後ろに敬称を置くのに対して、英語では、Mr.〜、Mrs.〜という風に、名前の前に敬称を置くのが不思議だった。 語学の才能がないのに、こんなことに一々こだわるから、ますます語学が苦手になったのだが(苦笑)、それはさておき、欧米の映画やドラマで、「Mr.」と呼ばれた医師又は教授が「Dr.〜」又は「Prof.〜」と訂正する場面を時々見かけるに及んで、西洋が階級社会であるが故に、彼我双方が最初に階級を確かめ合う必要があるため、名前の前に敬称を置くようになったのだろうと考えた。子供の思い付きだから、果たしてこれが正しいかどうかは分からないが、今でも当たらずと言えども遠からず...
2021.01.30 13:01日本国旗損壊等の罪 外国に対して侮辱する目的で、外国の国旗を破いたり、燃やしたり、踏みつけたりすると、その外国の国旗が他人所有か自己所有かにかかわらず、外国国章損壊罪(刑法第92条)に問われることになる。 ところが、日本の国旗について同様の行為をした場合、その国旗が他人所有のときには、日本国に対して侮辱する目的かどうかにかかわらず、器物損壊罪(刑法第261条)に問われるのに対して、それが自己所有のときには、そもそも処罰規定がないので、罪に問われることはない。 そこで、平成24年(2012年)5月19日に提出し、衆議院解散に伴い審議されずに廃案になった日本国旗損壊等の罪を新設する刑法の一部改正法案を、自民党の高市早苗衆議院議員が中心になって再提出するらしい。 高市議員の主...
2021.01.12 06:37法服 <追記> 昨日は、成人の日。みなさんは、成人式に出席なさったのだろうか。私は、くだらない政治屋たちの話を聞きたくなかったので、成人式を欠席し、自宅で民事訴訟法の教科書を読んでいた記憶がある。 学生時代に民事訴訟法を教えて下さった先生は、7か国語に堪能で、戦後、20代前半で最高裁調査官を拝命した秀才。将来の最高裁判事を嘱望されていたのに、研究者へ転向された元高裁判事だった。 民訴(みんそ。民事訴訟法を略して、民訴という。)は、無味乾燥で眠くなるので、昔から「眠素(みんそ)」と呼ばれていたからだろうか、時々、講義の合間に雑談を入れておられた。 ある日、先生が「裁判官が法服を着るのはなぜか?」と問われた。先生に当てられた私は、「裁判官の個性を消すためではないでしょう...
2020.12.23 22:38金子堅太郎先生 今日は、クリスマス・イブ。クリスチャン以外の人は、独り静かに、キリスト教よりも遥かに古い日本のお国柄に思いを致すのも一興ではなかろうか。 そこで、金子堅太郎(かねこ けんたろう)先生のお話をしようと思う。
2020.12.20 21:00帰化許可の取消 衆議院の質問答弁情報を見ていたら、マスコミが一切報道していないものがあったので、備忘録として載せておこうと思う。 立憲民主党の松原仁衆議院議員の「第203回国会 60 外国工作員による不正な帰化の取消に関する質問主意書」と答弁書
2020.12.12 20:55百姓 内閣官房参与の高橋洋一嘉悦大学教授がEテレ売却論を主張したそうで、話題になっている。この議論に立ち入るつもりはないが、Eテレの低俗化には、心底辟易(へきえき)している。くだらぬ芸能人の出演が増え、民放のバラエティ番組かと見紛うばかりだ。 昔のEテレには、世界初の教育専門チャンネルらしい良質な番組もあった。例えば、東方学院院長の中村元(はじめ)先生を知ったのは、Eテレ(当時は教育テレビ)の『こころの時代』だった(現在の『こころの時代』は、宗教臭くて見ていない。)。 当初は、恥ずかしながら中村先生のお名前の読み方すら存じ上げなかったけれども、穏やかな人柄で、柔和な表情と豊かな学識に裏付けられた平易な語り口に魅せられて、テレビの前で自然と正座をしながら、中...
2020.12.01 23:00小林虎三郎先生 越後長岡藩の藩士小林虎三郎先生は、佐久間象山先生の下で学問を修め、吉田松陰(寅次郎)先生と「二虎」と並び称されるほどの英才であり、象山先生をして「事を天下に為すものは吉田松蔭、我が子の教育を託すものは小林虎三郎」と言わしめるほどであった。 小林先生の名声は、昭和18年に作家山本有三氏によって戯曲化された『米百俵』(新潮文庫)により、今日まで伝わっている。 かいつまんで言うと、戊辰(ぼしん)戦争で敗れた長岡藩は、焼け野原となり、維新政府により禄高を従前の7万4千石から2万4千石へと減らされた結果、実質的に6割減収。そのため、藩士たちは、その日の糧を得ることもままならぬほど困窮していた。この窮状を救わんと、長岡藩の支藩(分家)から米百俵が贈られることにな...
2020.11.28 22:10法三章 支那(しな。chinaの地理的呼称。)戦国時代の弱小国であった秦(しん)の孝公に仕えた商鞅(しょうおう)は、法家思想(法律万能主義)に基づいて、変法(へんぽう)と呼ばれる国政改革を断行して国力を高め、その後の始皇帝の秦帝国の礎を築いたのだが、変法が苛斂誅求(かれんちゅうきゅう)を極めたために、恨みを買い、孝公没後、車裂き(四肢をそれぞれ馬車に繋いで、一気に馬車を発車させて、腕2本、脚2本、胴体の5つに引き裂く刑罰。)にされた。 商鞅の変法を中心にその生涯を描いた中国のテレビドラマ『大秦帝国-The Qin Empire-』(全51話)をご覧になった方も多いのではなかろうか。時代考証は、所々?だったが、大変興味深く、飽きずに全話を見ることができた。
2020.11.24 00:20内閣府令と省令 内閣府令(「府令」と略して呼ばれることがある。)と省令との効力関係について、言及している文献が意外に少ない。 ①民法がご専門の道垣内弘人(どうがきうち ひろと)東京大学大学院教授は、「命令の中では、政令>府令>省令>規則の順になりますが、公正取引委員会規則、会計検査院規則、人事院規則など、省庁からの独立性の高い行政委員会の規則は、法律に次ぐことになっています。」と明言なさっている(『プレップ 法学を学ぶ前に』弘文堂60頁)。 この①説に従えば、内閣府令と省令が矛盾する場合には、「上位法は下位法に勝る」が妥当することになる。 これに対して、②衆議院法制局職員等で構成された法制執務用語研究会は、「この府令と省令の効力は同格で、上下関係にはありません。」と...
2020.11.20 12:46欠格条項と共産党 ある自治体職員研修の休憩時間中に、受講者から質問を受けた。 地方公務員法第16条第4号は、「日本国憲法施行の日(昭和二十二年五月三日)以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者」に該当する者は、条例で定める場合を除くほか、職員となり、又は競争試験若くは選考を受けることができない(同条柱書)とあるが、日本共産党の党員は、この欠格条項に該当するのではないか? 職員研修では、地方公務員法第16条第4号については、憲法尊重擁護義務(憲法第99条)を負う地方公務員が、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入することは...
2020.11.08 10:57人事異動の内示と異なる人事異動 11/6(金) 9:48配信の西日本新聞の記事によると、「請求理由書などによると、男性は定年退職後に区役所係長として再任用されていた昨年5月、同館を所管する市民局人権部の担当者から次期館長就任を持ちかけられ、同意。今年3月13、18日には引き継ぎや辞令交付式に関するメールを受け取ったが、同24日の内示で通知された異動先は環境局係員だった。」ということで、「副市長以上の段階で人事原案が恣意(しい)的に拒否され、差し替えられた」と主張して、福岡市人事委員会に対して処分の取り消しを求めて審査請求したそうだ。