耳を掩いて鐘を盗む <追記1,2>

 明けましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


 さて、元日から嫌なニュースを見てしまった。


 自分の悪事を人に知られることを恐れて、すこぶる幼稚な手段をとることを「耳を掩(おお)いて鐘(かね)を盗む」という。

 いわゆる選択的夫婦別姓を導入しようとする連中は、善人ぶって、いわゆる選択的夫婦別姓を望む夫婦の人権を守るためと称しているが、本心は違う。

 日本の伝統である家制度・夫婦同氏制に裏打ちされた夫婦の絆・家族の絆を破壊し、もって社会主義ひいては共産主義を実現するための足がかりにするという悪巧みを隠しているのだ。


 この点、先日、このブログで、子供の気持ちを考えろ、と言った。

 産経新聞の調査によると、いわゆる選択的夫婦別姓で両親やきょうだいと違う名字になることの是非について、小中学生の約半数が反対している。

 法律が変わった場合、将来自分が別姓を選択するかについては「家族で同じ名字がよいので別々にはしたくない」がほぼ6割を占める。

 子供たちにとって、夫婦同氏・親子同氏が如何に大切であるか、換言すれば、いわゆる選択的夫婦別姓・親子別姓が如何に子供の心を傷つけ、子供を不幸にするかがよく分かる。

 児童の権利に関する条約(いわゆる子どもの権利条約)第3条第1項は、「児童に関するすべての措置をとるに当たっては、公的若しくは私的な社会福祉施設、裁判所、行政当局又は立法機関のいずれによって行われるものであっても児童の最善の利益が主として考慮されるものとする。」と定められている。

 我が国における「児童の最善の利益」は、夫婦同氏・親子同氏なので、これを考慮せずに、親のエゴを児童に押し付ける、いわゆる選択的夫婦別姓・親子別姓を導入するための民法改正は、児童の権利に関する条約第3条第1項に反し、許されない


 児童の権利に関する条約の前文には、「家族が、社会の基礎的な集団として、並びに家族のすべての構成員特に児童の成長及び福祉のための自然な環境として、社会においてその責任を十分に引き受けることができるよう必要な保護及び援助を与えられるべきであることを確信し、 児童が、その人格の完全なかつ調和のとれた発達のため、家庭環境の下で幸福、愛情及び理解のある雰囲気の中で成長すべきであることを認め」とある。

 我が国において、いわゆる選択的夫婦別姓・親子別姓を採ることは、「社会の基礎的な集団」・「家族のすべての構成員特に児童の成長及び福祉のための自然な環境」として必要な保護を与えられるべき「家族」や児童が成長すべき「家庭環境の下で幸福、愛情及び理解のある雰囲気」を破壊することになるのだ。


 日本の将来を担う子供たちのためにも、いわゆる選択的夫婦別姓・親子別姓を絶対に認めてはならない。


<追記1>

 昨年12月17日、立憲民主党の野田佳彦代表は、いわゆる選択的夫婦別姓について、「一部のノイジーマイノリティ(声高な少数派)に邪魔されて議論の俎上にのぼらされないことは、もう通用しない」と述べたそうだ。

 令和3年12月の内閣府の世論調査では、同姓維持27・0%、旧姓使用拡大42・2%で、選択的夫婦別姓賛成28・9%は少数派にすぎず、選択的夫婦別姓反対論が多数派なのだが、野田代表の頭の中では「一部のノイジーマイノリティ(声高な少数派)」に脳内変換されているようだ。現状を正しく認識できないところをみると、認知症が始まっているのかも知れない。

 なお、noisy minorityノイジーマイノリティを産経新聞は「声高な少数派」と翻訳しているが、「うるさい(騒々しい、やかましい)少数派」という否定的なニュアンスがある。この対義語は、silent majorityサイレントマジョリティ「物言わぬ(静かな)多数派」だ。


 しかも、野田代表は、「理解を得られずとも分け隔てなく語りかけ、国民を分断するような物言いは絶対にすべきでない」、「口では「丁寧な説明」と言いながら異論を認めず、少数派を切り捨てる安倍さんは、誰のための政治をやっているのか」、と厳しく安倍総理を批判していたのに、己の意に反するいわゆる選択的夫婦別姓反対論に「一部のノイジーマイノリティ」とレッテルを貼って国民を分断するような物言いをして、異論を認めず、「少数派」(笑)を切り捨てようとしており、誰のための政治をやっているのか。

 左翼政治屋の二枚舌・ダブルスタンダード・特大ブーメランは、毎度のことだが、本当に恥知らずで、人として信用できない連中だ。

< 追記2>

 産経新聞社が昨年11月中旬から12月上旬にかけて主要111社にアンケートを実施したところ、社内で旧姓使用を認めない企業はゼロだった。

 「内閣府によると、昨年5月末現在で320の国家資格、免許などのうち317で資格取得時から旧姓使用ができる。残る3資格も条件に若干の違いがあるだけだ。マイナンバーカード、運転免許証、パスポートも旧姓併記ができる。 金融機関も既存口座の旧姓名義による取引を認めており、一部認めていない場合もシステム改修が進めば対応可能になるという。」

 このような事実に鑑みると、いわゆる選択的夫婦別姓を認めるための民法改正を必要とする立法事実がないと考えられる。

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